羽毛布団Q&A

羽毛布団の素朴な疑問を日本羽毛ふとん診断協会認定・ダウンプロフェッサーがお答えいたします。

 

Q

羽毛布団と羽根布団はどう違うの?

A

グースやダックなどの水鳥から羽根(フェザー)と、羽毛(ダウン)の2種類取れます。
(ニワトリなどの陸上で生活する鳥では羽毛・ダウンは採取できません)

羽毛(ダウン)は、軽くて、保温力などはフェザーよりはるかに優れます。
50%以上フェザー(羽根)が入っているものを羽根布団とよびますが、羽毛布団のリフォームは可能ですが、羽根布団はリフォームができません。ハッキリ言って、暖かくて気持ちの良いふとんにはなりえません。

Q

価格の差は何が違うの?

A

羽毛(ダウン)品質と入っている羽毛の量、側生地の品質、キルト(縫製)の仕方に左右されますが、基本的には羽毛の品質の差が価格の差になります。
羽毛(ダウン)の品質を決めるのは、その成熟度や大きさ、毛の密集度合いです。

☆産地は品質の差に関係ありません☆

☆ダウン率は高い方が良いのですが、それだけで羽毛の良しあしは図れません。羽毛(ダウン)が85%の物でも、90%の物より良い物もありますので、ダウン率だけで判断はできません。ただ、フェザーは断熱性など、ダウンにはかないませんので、まず、ダウン率70%程度のもので良いものはないと思っていただいていいでしょう

・羽毛は膨らんで空気を含むことで保温力を発揮するので、高品質の羽毛ほど大きく膨らみ、高い保温力を発揮します。また、適切な温度・湿度を保ち、ホコリやニオイなどが無く(または少ない)、フィット感・肌触りなどが良いのです。低品質なものは洗浄やホコリ取りをきちんとしていませんから、臭かったり、早くにヘタってしまうのです。

☆高品質なものほど、少ない量でも保温力を発揮し、羽毛自体が成熟しているので、使用していっても切れにくく(ファイバーになりにくい)、品質を維持しやすい(ヘタリにくい)ですし、本当に軽くて暖かいお布団が作れます

より詳しい説明についてはこちらからどうぞ

Q

羽毛布団のアレルギーが心配?

A

羽毛がアレルギーを起こすというのは、どちらかといえば俗説です。
純粋なダウンやフェザーのアレルギーはかなり稀です。

ダウン/フェザーアレルギーがあると思っている人のほとんどが、実際にはダニアレルギーやハウスダストアレルギーであり、ダウン/フェザーアレルギーといわれながらも、近代的な羽毛製品であれば、何年も問題なく使用している人もいます。

ダニに対するアレルギーがある方も、羽毛布団の生地にはダウンプルーフと呼ばれる、中身が外に出てきにくい加工がしてあります。ダウンプルーフのなされた生地の織り目は潰され、圧着してありますので、その隙間ではダニは中に入れません。側生地の外側にくっつく可能性はゼロではありませんが、日ごろのお手入れ(※週に1度程度、1時間程度、必ずカバーをかけたまま、天日干しをし、屋内にしまう際に表面のホコリを払う、など 注意点:生地&中身が傷むので絶対に叩かないでください)さえしていただければ心配する必要はございません。

また品質管理がちゃんとされている羽毛は、複数の徹底的な洗浄工程を経ています。
アレルギーがある人には羽毛よりもポリエステルの方が良いという見方もありますが、別個に行われた幾つかの研究によると、そうではないことが分かりました。
枕での実験結果ではポリエステル製枕の方が、羽毛枕よりもダニの温床になりやすいのです。
British Medical Journalに引用された研究では、ぜん息患者は羽毛寝具を使用した時の方がポリエステル製寝具より症状が軽減されました。
(British Medical Journalの引用・論文はこちらからどうぞ ※注:英語サイトです。)

Q

羽毛ふとんは洗えるの?

A

洗うことはできますが、毎シーズンごと、またはドライクリーニング、ご自宅での洗濯はオススメしません。
また側生地によって洗える回数などが左右されます。
もちろん使用して8~10年以上経っている場合は、リフォームをおすすめしますが、もし、生地などの汚れがきつい場合に、5~7年くらいのご使用で一度丸洗いされてはいかがでしょうか?

羽毛ふとんの汚れは、水溶性ドライクリーニングでは上手く取れません。羽毛布団の傷みの原因にもなります。さらに、ドライクリーニングでは油を分解しますが、羽毛が元々持っている油脂分も分解してしまうことにもなります。そうなると羽毛の持っている弾力性が失われ、結果的には羽毛が壊れやすくなりホコリが増えてします。
さらには羽毛布団の生地にはダウンプルーフという、羽毛の吹き出しを防止するための加工がなされています。水洗いすることにより効果が薄れますので、毎シーズンごとの丸洗いもオススメしません。特に日本製の羽毛布団のほとんどはサテン生地です。ウォッシャブル表記のない綿100%のサテン生地を使用した、一般的に多く出回っている羽毛ふとんですと、2~3回洗うと生地の織りが緩み、中の羽毛が出てきてしまう可能性が高いです。
(特にサテン織りは綾織りで、洗いで織りがが緩みやすいのです)

ご家庭で洗えるウォッシャブルの羽毛ふとんもありますが、多くはポリエステル混の生地で、ポリエステルの繊維の特性上、ダウンプルーフ加工をきつくかけてあるため、通気性が非常に悪く、蒸れやすい布団になってしまいますので、睡眠科学の観点からもやはりオススメできません。